神界の掟を破った代償~後編~
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  • 執筆者の写真suzun0ne

神界の掟を破った代償~後編~

旅立ちの前、神界より霊界へ通りし霊道にて父神、白狐、巫女神は挨拶を交わしたそうです。



白狐は、神獣の姿より御霊となり巫女神へ言いました。「これから先も私はずっとあなた様のお側にお仕え致します。例えそれがどんな形、姿であろうとも決してお側を離れません。巫女神と共に過ごした記憶を私はこの胸にしかと刻む事でしょう。では、巫女神様、今はしばしのお別れです。あなた様が自分の記憶を取り戻した時、私は再び獣の姿で現れましょう。」そう言って白狐は先に霊道の遥か先へと消えていきました。父神は、「神界の掟を破ってまでも人間の見る景色をその目で感じ、確かめたいのであれば行きなさい…ただし、お前には守り人として神界より使者を遣わす。当たり前の事じゃ。お前は私の大事な大事な巫女神であるからの。時期が来れば、その知らせを神界より伝えよう。しかし、人間の穢れに満ちた世界に送り込むのはやはり嫌じゃ。そうじゃ、お前が人間として生まれし時からしばし今の記憶は取り祓っておく…その方がお前も楽かろう…よいか。お前が神界の掟に気づき自分に課せられた代償が分かったその時は、精進せよ…精進せよ。代償は、お前がお前自身で生きる苦しさよ。苦しみ悩み迷いながらやってみなさい。ここへまた戻る時には、土産話を聞かせておくれ。」そう言うと父神は神界へと戻って行ったそうです。

…巫女神が人として生まれ、この世に生を受けたのは人間としてこの世を生きてみたいと思った想いから始まったのでありました。

ある時期から、社に来ていた青年は来なくなりました。寿命を迎え亡くなったのでしょう。

人間として生まれる前に巫女神は霊界にてその青年の声だけを頼りに探したそうです。…見つけられたのかまでは聞いていませんが、きっと巫女神もその青年もこの世のどこかに普通の人間として暮らしているのかもしれません。





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