蝉の声が響き渡るこの時期になると、ふと昔の記憶が蘇ります。
遥か古に社へ籠り、人知れず祈り続けていた日々にあった出来事であります。
…その日は、とても日差しが強く蝉の声は朝から日の沈む時間まで続いた日でありました。
何かに導かれるように社を出た私は、偶然にも逢いたいと思っていた人に出逢いました。
お互いに何も知らないまま、二人は目を合わせ顔を下へ向け恥ずかしさと初々しさが漂ったそんな淡い日でありました。
現世で出逢ってまた巡り逢う事が出来た、この縁を大切に育みたいと強く願いながらも。
現世での自分の担う役目を全うしてこそ、本当の意味での代償を償えるのだと分かっています。どうしてももどかしく、何をどうしていいか迷う日々が続くのであります。
縁あって人と逢うことは必ずしも意味のあることだと神々は述べます。
それは大なり小なり人が抱く感情であったり、記憶、経験、想いで、生きる甲斐、生きる糧全てに通じるものであるそうです。
もはや人としての感情はないものの、何かや誰かを想う気持ちは誰にも劣らぬように努めている自分自身がまだ成長足りぬ人間であると自覚しているのです。
もどかしさや矛盾を人は表現できずに、非を認めることは難しいのです。
事足りぬこの想いがいつか成就するのであれば、人並みの幸せというものを味わってみたいと想うようになりました。
人を想う心を与えてくれるそんな存在は、とても貴重なものです。
例えそれがどんな過去を背負い、どんな因果に惑わされる人生であってもその人の行く末を案じてやまないのであります。
鈴ノ音へ来て下さる方々の想いや苦悩、葛藤はとても大切な私の学びの印であります。
人はどんな時に感情的になり、どんな人へ想いを募らせるのかを私に教えてくれるのです。
想いはいつしか一人から二人へ。二人から皆へ分散されますように心から祈りそして精進したいと思っております。
記憶の片隅にあるはずの前世での想いや記憶、そして癖はその人固有の個性そのものであります。前世での記憶の背景にある人間相関図は変わることなく、現世にも影響しています。
蝉の声を聴きながらそんな昔に想いを馳せてみるのも悪くはないと想うのであります。
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