「陰陽師」という言葉をご存知でしょうか。
平安時代には、陰陽道を使い怨霊や御霊信仰(ごりょうしんこう)の為に「陰陽師」と呼ばれる者たちが京に点在していたことになります。
式の神またの名を式神とは、そんな陰陽師が使う妖術に近い技の事を指します。
式神でお呼びする者には、たくさんの種類がありました。
代表的な者の一つが「鬼」です。その他、狐、蛇、鴉(からす)、虎など。さらには亡くなって彷徨う魂などを式神として使っていた者もおります。人の恨みつらみを抱きながら亡くなっていった魂ほど扱いやすい者は無かったのかもしれません。
陰陽師たちはそんな式神を駆使し、たくさんの怨霊や御霊信仰の難を避けるため、そして祓う為に京に仕え日々学んでいたのだと思います。
(陰陽師とは現在でいう「占い師」のような職種でありました。)
式神は、多少の霊力で容易に出せるものではありません。気を集中させるだけではなく、呪文や敬意をはらって初めてその御霊や鬼との力関係が出来上がっていくのであります。
先日、弘法大師の名よりいでし「犬神」についても少しお伝えしましたが、元は神獣であります。神獣とはまたの名を神使(しんし)と言います。神界や仏界で神に仕えし動物たちの事であります。秩序や理性とかけ離れた「妖」達よりも、掟にのっとり主(あるじ)に仕える忠実な配下であります。
神使には、代表的な者の中に「十二支」があります。十二支の干支もまた神使となるわけです。他に身近な所で言いますと、狛犬や稲荷、蛇などがあります。
現在でも、式神を操り精進している方も存在しているようです。しかしながら、一つ方法を誤り良くない方向へと式神を使ってしまった暁には、大きな代償を受けることになります。
この世には、今も昔も変わらず「鬼」「式神」「獣神」「魂」が混濁しています。
主を亡くした式神達の行く末を案じてやみません。また、その式神達が安息の地を見つけさらなる成長をすることを共に祈ってやみません。
式神と獣神(神使)には、生まれし定めと役目こそは違うものの主を想うその心はどこか同じような気がしております。
現代も続く陰陽道の家系には、秘伝の術とやらが残されているようですが…それを学び、使う前に人間はしなくてはいけない問題が山積みのような気がします。
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