本日は、木花咲耶姫~このはなのさくやびめ~についてお伝え致します。
木花咲耶姫は、神界を代表する程の美しい女神であります。
父神は山神でもある大山津見神(おおやまつみのかみ)..伊弉諾尊(いざなぎのみことの子)、そして後の夫となる神はニニギノミコト(天照大御神の孫)です。
美しい娘ではありましたが、その意志は固く決して揺らがない心意気がありました。
大地をこよなく愛し、花や木を愛でいつしか「桜木の神」とも呼ばれるようになりました。
天照大御神より地を納める為に派遣されたニニギノミコトは、木花咲耶姫と出逢い一目見て恋に落ちたそうです。そして結婚の許しを得るために、父神である大山津見神へ承諾を貰いに行ったのでありました。申し出を受け入れ、大山津見神は承諾したそうです。
..木花咲耶姫には姉のイワナガヒメがおりました。
美しい木花咲耶姫と違い、姉のイワナガヒメはとても醜い容姿だったそうです。
二人が夫婦になる事を決めたその日..
大山津見神は娘を差し出すのと同時に二つの贈り物を致しました。
一つは大量の福が詰まった宝箱、そしてもう一つは姉のイワナガヒメでありました。
ニニギノミコトは、姉の姿を見ると驚き
「なぜ、私に姉のイワナガヒメを贈ってきたのですか」と大山津見神へ尋ねました。
すると、大山津見神はこう述べました。
「二人の娘を一緒に差し出したのは、例え雪が降り吹雪になろうが波が押し寄せ津波が来ようがイワナガヒメは岩のように固く動くことはありません。天孫代々の御心に永遠の命を与える事が出来るのです。イワナガヒメを側に仕えなさい。」と。
しかし、ニニギノミコトはすぐにイワナガヒメだけを神界へ送り返してしまったそうです。
木花咲耶姫は、花咲くごとし栄え繁栄する福徳を持っておりました。
一方、姉のイワナガヒメは「永遠を司るもの」として永遠の命を福徳として持っておりました。
..皆さん、もうお気づきでしょうか。
二人は「二人で一つ」。
不動のごとし動かず永遠の命を司る姉と花咲くごとし美しく栄え繁栄する妹。
ニニギノミコトは愚かな事に、真(まこと)の美しさ、そして真(まこと)の豊かさを見失い姉のイワナガヒメを返してしまったのです。
山神は申しました。
「見た目において差が出るのは一時のこと、行く末に差が出るのは永遠のごとし」と。
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